医学教育研究 ユーモアと教育 文献ノート(和文)

少しずつ文献や教科書を集めて行って情報収集していこう!文系の人は文章を読んだり書いたりが得意なせいか全然図表が出てこないんだよね。。。ユーモアをまじめに学問していて、そのAmbivalenceは素敵だけどさ。嫌いじゃないぜ~。

白石よしえ ”なぜ、予備校の教室には「笑い」が必要か” 笑い学研究19(2012.7)

私は下品な理系学生なので、きれいな英語の先生とは縁がなかったんだが、近畿大学の英語の准教授の先生です。英語での論文はResearchmapで調べた限りなかったよん。

ちなみに予備校の先生は、荻野先生好きでした(今は数学やくざって呼ばれてるのね)。

いい話だよね。高校にはいないんだよね。なぜか。①から⑤まであるのかスゲーなYouTube
予備校医学部
大きな目標志望校合格国家試験合格?(より臨床医になる?)
日々の動機やる気、理解可能、退屈でないあまり予備校と違いはないか
笑いの意義まじめな行動による目標達成(Telic状態)に
講義自体を楽しむ(Paratelic状態)を加える
認知的にとらえるとそうなのか?
方法インタビュー形式
記述統計があるわけではなく症例報告のよう
先生のアンケート結果を記述
生徒からのものは掲載なし
医学生や研修医の講義でのアンケートは見てみたい。
講義する側の意図を組むのも面白いかも。
予備校講義と医学部講義での笑い 応用できるかな?

ユーモア心理学ハンドブックなるものがあるとしりアマゾンでポチっ

ユーモア心理学ハンドブック(R・A・マーティン著 野村亮太/雨宮俊彦/丸野俊一監訳)

amazonプライムは早いのね。中古で購入!しかしこの本英語だと2018年にあたらしいの出てるんですね。。。しまった~。Rod A Martin先生はこの道の大家なのかな?

https://www.psychology.uwo.ca/people/faculty/profiles/martin.html (Martin先生 29/Oct/’21)

https://researchmap.jp/read0140915/research_experience/25618574 (野村先生 29/Oct/’21)

ユーモアハンドブックなのに文字ばっかり(!?)で目次もシリアスな感じです。ここはビールの力を借りて立ち向かうしかない!と思ったのですが、ぴゅーと第11章第2節「教育におけるユーモア」にひとっ飛び(でも英語の勉強のためにこの章の英語版は手に入れたのだ)!

教育現場では、ユーモアは以下のことに役立っていると示唆されている。

1)緊張・ストレス・不安・退屈の軽減、2)生徒-教師関係の向上、3)学習を楽しくさせ、ポジティブな感情へ、4)教育的メッセージに関心を持ち、注意喚起、5)理解・記憶・成績の向上、6)創造性・拡散的思考の促進。。。

うーん、字だけで書かれるとふーんで終わるんだよな(よく言えばとても分析的だけれど)。。。ただし残念ながら、実証的研究は少なく、あっても古く、追試がほとんどなし。結果も一貫していないらしい!この本では6つのセクションに分けて解説しているよん。

●教室での教師のユーモア使用についての記述的研究

まずは、どんなユーモアをどんだけ使うの?という記述的研究がなされている。50分授業で3回のユーモアが平均して用いられているとの報告もあり、うちのボスも真っ青だね。ただし、その半分以上が人物やグループをからかうような傾向的(Tenditious)や攻撃的なものだった(あいや~)。自己卑下的(Self deprecating)、あるいは自虐的(Self defeating)なものは12%という報告があるんだって(なるべく気を付けて”自虐的”になるようにしているんだけど、聞いている側はどう思うのかな?)。ユーモアの30%のみが講義に関連しているんだとさ(私も時折、無理やり入れてるな~)。

ユーモア分類(出ると思ったさ~。好きだな、分析!!)

1)教師自身に向けられる、2)生徒に向けられる、3)対象なし(矛盾、ダジャレ、誇張)、4)第三者に向けられる、5)非言語的ユーモア、これに授業に関連するorしないの2つが掛け算される感じかな?学生さんにアンケートするときにはこういったところに配慮しなきゃいかんかな?

●教師のユーモアの使用と教室環境

教師の賢明なユーモアは学生の学習の楽しみ、良く学んだ感覚、ポジティブに感じる程度を上昇!またユーモアのセンスは有能な教師の特性として学生からも人気!特に女性教員の評価はうなぎのぼりだそうだ。でも傾向的、攻撃的なユーモアは逆効果。言わないほうがましだね。

直接性(Immidiacy)というのが中間因子のように書かれているね。直接性とは、教師と学生が親密な個人的絆を結ぶ程度のことである(壁がないというイメージかな)。この直接性を高める効果があるといわれているよん。結果として授業評価や教員評価、学びの感覚の高さにつながりそうだ。

●教師のユーモアの使用と生徒の学習

「ここでしょ!!」結局、ユーモアを入れると学習効果はあるの?に答えているのがこのsectionだ。

1) 学習のしやすさ、動機付け、より高い学業成績

2) 注意喚起と維持、目新しさや感情の喚起

3) 認知的な精緻化の過程を促進し、記憶の手がかり

2)に関しては、児童を対象にした研究があり、注意喚起については、初等教育では良い結果があるそうだけれど(Wakshlag et al., 1981やZillmann et al., 1980)、大人の報告はない?

3)に関しては、8歳から11歳までの小学生を対象に1か月後の記憶や想起については有意差があったそうだが、9か月後は消失(Davis&Apter, 1980)。。。

教育学的な文脈での学習への効果の有益性に関する最も有力なものはジッブによる2つの実験だそうだ(Ziv, 1988)。統計学入門の受講生が無作為にユーモア群と非ユーモア群に分けられ、講師は訓練を受けている。最終試験の成績で、2条件間の差は10%以上!ユーモア万歳!

追試もされていて、教育大学で心理学入門を受けている女子学生の2クラスがユーモア群と非ユーモア群に分けられ、MCQによる最終試験でユーモア群が10%以上高い成績だったそうだ。

最近では、Derks, Gardner et al., 1998; Schmidt, 1994, 2002; Schmidr & Williams, 2001が一貫した結果が得られている。「想起はされやすい、記憶への有益性は?」、ユーモアを伴わないものは逆に減退させる可能性がある。。。

この本曰く、”講義全体を通してのユーモアの絶え間ない使用は、記憶の保持にほとんど役に立たない。ユーモアは周辺的な情報よりも重要な概念を説明するときにやや控えめに用いられるべきである”だそうだ。3分に1回は笑いを取れって指導されてきたんですけど!?

●テストにおけるユーモアの効果

いろんなことを考えることがいるもので、試験にユーモアが入っていたら、より良い成績になるかなんて実験がされているよ。これは残念ながらユーモア(+)の試験はより低い成績だったんだって。数々の研究のうち一つだけが、ユーモアを受験者に評価させていて、ユーモアを面白いと思った受験者は成績が良かったんだって。試験に入れるのは、どうしようかな~。。。

●教科書におけるユーモアの効果

3群間に分けた教科書(漫画なし、漫画ちょっとあり、漫画たくさんあり)を読ませて、再生テストを受けさせたのだけれど、全く差はなかったんだって。教科書で難しくビビらせておいて、講義は楽しくするなんてツンデレ法はいかがかな?

●警告・副作用

攻撃的なユーモアは、教室の学習する風土を損なう効果があり(負の効果ね)、他人が冷やかされると大学生はより抑制的で、より従順で、失敗を恐れ、リスクを冒さなくなる。。。だよね(学生時代を思い出す。前に座ってると当てられてこんなことも知らないのか的な感じだったもんな~)。小さい子供はゆがんで覚えてしまったり、困惑したりしてしまうって。成人教育ではこの手のことは減りそうだけどね。。。

Take home messages

★ちょっと自虐的なユーモアで学生との直接性を高めて(アイスブレーキング)、本当に理解をしてもらいたい概念を、適切なユーモアを用いて伝えよう!(どうやって実験しようかな。。。)

笑いを科学する!ユーモアサイエンスという本もあり、ぽちっとな(たくさん読めるかな?)。ぼちぼち英語にも挑戦しようっと。いいReviewに出会いたいんだけど、数打ちゃあたる!?

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