Humor studies オリジナル論文①

Farhana Bakar, Vijay Kumar ”The use of humour in teaching and learning in higher education classrooms: Lecturers’ perspectives” Journal of English for Academic Purposes 40 (2019) 15-25

教師側の観点からのユーモアと教育に関わる論文を読んでみた。

Research design

質的研究:ニュージーランドの大学のユーモアが優れていると学生に選ばれた5人のベストティーチャー受賞者を抽出

第一に、講義をビデオ録画する。学生の笑いとその時のユーモアを記録する。1)また学生がその時何をしていたか、2)その時の先生が何をしていたかも記録する。

第二に、講義の録画をもとに、先生をインタビューする(Simulated recall interview:初めて聞いた)。

使われているユーモアの種類(3種に大別)、どのように(How)、なぜ使ったのか(why)をインタビューによって明らかにする(1対1)。生徒の笑いのあった箇所でビデオは30秒に編集され、インタビューに用いられた(手間暇~!)。

Findings

種類(Superiority, incongruity and relief)

Superiorityに分類されるものは、自虐的、誹謗中傷、生徒いじり、皮肉で例示されている。Incongruityに分類されるものは、面白コメント、なぞなぞやダジャレで例示あり。Reliefに分類されるものは、ひとつのみの例示(ちょっと自虐的な感じだけど)。

どのように(How)

以下の2×2でまとめられていた。

意図的自発的(意図的ではない)
講義に関連あり
講義に関連なし
狙ったものじゃないときもあるよ。。。

例示したエピソードがどれに当てはまるかといった言及はあまりなし。

なぜ(why)

大きく2つに分類

1) 学生の学習の促進2) 学生の注意を引き出す
・学生の生活に関連させたり、例示する
・講義内容のカギとなるアイディアを強調する
・追加情報
・学生の注意を引き付ける
・学生の注意を再度喚起する
・学生にリラックスしてもらう
なぜ教師はユーモアを用いるのか

学習促進

例えば、アルコールは大学生の生活に関連しているため取り入れている(全項目のHowでは意図的に入れていることになる)。教室に煙が入ってきた際には炭素の有毒性について追加情報を与えることができる(意図的ではなくad lib)。

注意の引き出し

注意を引き出すために講義の最初にするのが最も効果的、注意を再度惹起する方法は講義の途中で入れるパターン、特に深刻な講義内容の時にリラックスさせるユーモアは効果的。

まとめのFigure

The connection between types, classification, and functions of humour used by the award-winning llecturers

私見

質的研究はほとんど読んだことなかったので、面喰いました。。。PICOといった臨床研究系の概念に乗りにくいのかな?いい先生のトピックを分析したような形なので評価の低い先生と比べてほしかったのに。。。講義ビデオの笑いが起きたところを抽出するのは面白いが、大変そう。AIとかアルバイトを雇ってみるかな?

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