飯田淳子・錦織宏編 医師・医学生のための人類学・社会学 臨床症例/事例で学ぶ
症例ベースはすんなり読めるな。救急関連は一症例だけだったけど。。。気になる用語や本をピックアップ。
第Ⅰ部 人類学・社会学の視点と方法
01 なぜ医学生が人文社会科学を学ぶのか?
「医療人類学は医療にどのように貢献するのか?」
02 社会科学と医療
事例をかく!ブックガイド(「文化人類学[カレッジ版]」(波平2021)、「ヘルマン医療人類学」(ヘルマン2018)、「病いの語り」(クラインマン1996))
03 エスノグラフィと文化人類学の視点
フィールドワークの技法(佐藤郁哉2002)
第Ⅱ部 臨床症例/事例で学ぶ人類学・社会学
[1] 患者・家族の一見不可解な言動
04 月ごとに入退院を繰り返す
パーソンズ 病人役割
05 近隣住民とトラブルになり医療保護入院となった高齢女性
Youngの分類:「病気経験の総体(sickness)」、「一般に人が感じる病い経験(illness)」、「医学的な病い・疾病(disease)」→病いなき疾病、疾病なき病い
説明モデル 医師 ①原因、②症状、③病態生理、④経過、⑤治療、対して患者は一番心配なこと。
Explanatory model 解釈モデルと訳したのは福井次也先生、説明モデルと訳したのは心理学者たち。
06 多くの生活困難を抱え込んだ患者
07 「不定愁訴」を訴え続ける患者と向き合う
病人役割が功を奏した例、ケアする側とされる側、薬剤の社会的作用
[2] 治療やサービスを拒否されたら
08 無症状を理由とした精査の拒否
「共時」一時期 「通時」一生 病人役割を付与することが本人にとって不快
09 服薬や介護サービスの拒否
役割はアイデンティティの中心
10 専門治療機関への移行に対する抵抗
病人役割を付与することで高次診療に継続できた例
11 抗がん剤の拒否と補完代替医療への希望
多次元ヘルスケア・システム(専門職セクター(病院診療所)、民俗セクター(灸、按摩、指圧)、民間セクター(健康食品、サプリ))
受療行動 ①患者属性、②治療者の属性、③病気、④患者の取り巻く人・環境、⑤社会規範や制度
[3] 生殖医療・小児医療の現場から
12 生殖医療をめぐる治療の線引きとジェンダー
13 1型糖尿病男子の踊る注射
「準拠集団」…「お調子者の男子」(可変的)
14 「障害」という診断をめぐる葛藤
「障害者」とされることでスティグマ(烙印を押され、社会的に不利益を被る)を持つ
[4] 在宅医療の現場から
15 家にとどまりたい排便障害のある高齢の女性
ライフヒストリー>ライフストーリー
ある出来事を経験しても立場の異なった人たちはそれぞれ異なった解釈をする(ルイス):羅生門的手法(黒澤明監督 強盗、殺害された侍、侍の妻の言い分はすべて異なり、客観視できる杣売りは全員の言い分が違うという。FCMEで見たな)
16 治療のリスクと生活の質
クラインマン.A 『八つの人生の物語』、中川米蔵 『医学の不確実性』 ダグラス,M 『汚穢と禁忌』
17 入退院を繰り返す血糖コントロールが不良の患者
[5] 看取りの現場から
18 ターミナル期の患者と宗教に入れ込む家族
文化相対主義
19 胃瘻をした母の死への道のりはなぜ揺らいだのか
「帯」状のプロセスである「社会的な死」 cf.「点」である「生物学的な死」
20 排泄への意志
[6] 外国人・国際保健
21 在宅外国人患者と向き合う
文化相対主義 vs 自分か中心主義(エスノセントリズム)
本質主義(Essentialism):人類学で、人種や民族、性、階級などのカテゴリーごとに共通の不変の性質があり、実態的に把握できるとする考えかた(ステレオタイプ的思考)。
22 自己投薬による中絶を引き起こす文化と環境
23 「死体」をめぐって生じた文化摩擦
[7] 多職種との協議
24 医療専門職の苦悶
感情労働(感情が商品になるとき) バーンアウト 山上実紀
25 ICUに緊急入院した重症交通外傷患者への対応
26 多剤併用
社会をシステムとしてとらえる。ルーマン「自己準拠」:内部にある各要素が独自の発展(医療で言ったら、内科(内科専門医)、薬局、)
27 新型コロナウイルス流行下の不安
アネマリー・モル ペイシャンティズム:生活のための標準を健康なものではなく、身体に何らかの不具合を抱えている患者の方に設定しようという態度。「他者への配慮」を規範として行動。コロナ対策の乗り越え方
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