PEERⅨ 7/26号

大学院の入試があって、44歳にしてまた試験だぜぃ。PEERⅨみたいなMCQは対策も立てやすいし楽なんだけどな~。みんなの行ったところ楽しかったな。思い出は一生ものだね。僕も歳とる前に家族でたくさん旅行に行きたいな~。休暇は非地位財でしたね!このHPのマニアは知っているはず!?

68 C Retinal detachment

病歴は典型的な網膜剥離だね。POCUSを紹介してくれていたね。網膜剥離を描出したことはあるかな?Mac on/offという考え方があって、Macular densaを巻き込んでいるとき(Mac on)は緊急性が高いよ(といっても翌日だったりするけれど)。視力の正確な検査とは言わないけれど、見えについての問診、診察はしておきたいね。Mac offのときは待機的になる場合が多いね。どれだけ待っても大丈夫かといった報告もあるよん。ちと古いけどね。

file:///C:/Users/naoki/Downloads/EJOMaculaoffretinaldetachment2005.pdf

74 C Minor burn

1度熱傷の場合は、NSAIDsやアロエでよいんだよ。学生時代に、火傷したって言ったら同級生の女の子が自宅に生えているアロエを持ってきてくれたな~(いい時代)。でもわざわざ救急で栽培しなくていいからね。2度熱傷の場合は浸出液も多いので閉鎖療法にしようね。こまめに被覆は変えよう。水疱に関しては故意にやぶらなくていいよ。あまりに大きかったりする場合はきれいな針で抜いてあげよう。

残念ながら自然治癒してしまうので介入試験はいい成績のものはないよね。自然治癒のものがいい成績が出しにくいのは、咽頭痛のステロイド、顔面神経麻痺の抗ウイルス薬、などキリがないけれど、Controversialなものが多いね。Cochraneをのぞいてくれたのはうれしいね。じつは私は会員費を払っているのだ!

漢方(Herbal medicine)やお灸(Moxibustion)、鍼(Acupucture)といった領域は、統合医療(Integrated medicine)と言われているよ。いわゆる”Evidence”というのが少ない分野なので、Systematic review(SR)やMeta analysis(MA)を調べたかったら、PROSPEROというので一括に検索できるよ。

https://www.crd.york.ac.uk/prospero/

アロエもまだ静脈炎や創傷に関しては新しいSRやMAが走っているんだね。楽しみだけれど、あまり期待しないでおこう。。。ね。

76 B PTX d/t barotrauma

蘇生の後に、肋骨骨折やそれに伴う気胸があるのは知っておきたいよね。この症例はROSCしているので、原因検索とその解除をしなくてはいけないね。挿管した後の急変でのMnemonicsをDOPEで教えているよ(なぜかPALSなんだよね。ちびっこは抜けやすかったり、閉塞しやすかったりするのかな?)。Displacement, Obstruction of tube, Pneumothorax, Equipment troubleだったよね。小児の蘇生はあまり経験しないので、PALS開催の時は積極的に受けてほしいな。

悲しいかな、亡くなった場合は死後CTが撮影されることが多いよね。CTが普及している日本ならではのPracticeだよね。今日少し話した蘇生時の小児の肋骨骨折の話は数年前に林先生と記事にしているんだ。福井県でもしくは藤田や府立と一緒に研究してみるかい?

https://mol.medicalonline.jp/library/journal/download?GoodsID=ab0inerc/2018/003301/007&name=0021-0023j&UserID=1100001162-AA&base=jamas_pdf

77 D 爪下血腫 Trephination

昔は赤本にPaperクリップを赤くなるまで熱して硫黄が焼けたにおいをかぎながら、穴をあけていました。今は火の扱いも慎重になっているし、18Gでくるくるしながら穴をあけているよ。末節骨骨折や爪そのものの損傷にも気を配ろうね。

18GでのTrephination 小さい穴を2か所あけているよ。

Rosenにもある通り、爪の下の血腫で痛みが生じているので特にDigital blockは必要としないよ。この症例は小さい穴を2か所あけているね。

便利な道具もあるのね。

84 C 外傷で肉眼的血尿が出た場合

82番でも同様の症例だけれど、尿道損傷がないというのが難しいと思うんだけどね。。。JETECというのは知っているかな?Japan Expert Trauma Evaluation and Careというのの略で、外傷外科医に向けの本だよ。この問題は膀胱損傷を扱っているので少し抜粋してみたよ。

膀胱破裂は鈍的外傷(交通外傷)などで多く、破裂して腹膜の内か外かで分類されるよ。

腹腔外の場合はFoley留置で保存的になることが多く、逆に腹腔内の場合は開腹術が必要なんだって。

この症例で出てきたCystgramよりも外傷よりはCT膀胱造影が優先されることもあるそうだよ。発表にもあったように希釈して膀胱内に350mlほど充満させてからCT撮影するんだって。この辺りは泌尿器科の先生に意見を聞きたいね。

来月尿道損傷をH野先生が扱ってくれるからね(82番)。

86 B 耳介血腫

まずは局所麻酔をすると思うのだけれど、解剖を復習しよう!迷走神経の分枝が外耳道などに分布しているので何を隠そう、私は耳かきしているとせき込んじゃうのだ(隠しておけばよかった)!

大耳介神経と耳介側頭神経、迷走神経の分枝
神経ブロックのいろいろ、UptodateにはRing block(右上)が記載あるんだってよ。

耳餃子の中身(血腫)を取り除く方法だよ。pledgets(綿球)って英語、使ったことないな。。。

Robert and Hedgesの教科書からAuricular hematoma

脱脂綿をつめて次回の形をきれいに整えるのが一般的だよね。耳介損傷のほうが、良く遭遇するので復習しておこう。以前のEMAllianceで取り上げていたよ。

EMA症例108:4月症例解説 | EM Alliance

最後の固定がきつすぎると痛くて(頭や耳介が)、外来フォロー前に再来することを経験しているよ。小児だったので、頭を打っていたのかと思ってびくびくしながらCT撮って何もなし。耳介裂傷がうまく縫えてないかと思い、頭の包帯を外したら、「あー、楽になったー」って。ほっとするやらなんとやら。どのくらいがいい塩梅なんだろうね。。。耳の後ろのガーゼを厚めにすることかしら?

87 A 認知症の診断とそのタイプ

6か月前からの見当識障害、前には前頭側頭型認知症が扱われたけれど、今回は素直にAlzheimer型の症例なのね。

老人性うつとの鑑別は難しいね。。。この病歴だけで判断するのはちょっと困難かとも思うよ。K先生のまとめよかったな~。どこからの出典だったのだろう?

水頭症についても三徴の記載なし(記憶障害のみ)、CTでは陰性ということで確率は下がるのかもしれないけれど、ERで簡単にr/oする病気ではないよね。ちなみに、歩行障害は94-100%、認知障害は78-94%、排尿障害は60-92%なんだって。

昔習ったEvans index(両側側脳室前角間最大幅/同一スライスでの頭蓋内腔最大幅)は0.3を超えるとされてきたのだけど、超えない症例もあるってことでCTだけでの判断も危険だね。

妙に詳しいじゃないかって?Mindsさんのおかげだね(2020年に改訂された正常圧水頭症のガイドライン)。pdfにはなっていないけれどネット環境があれば、すべて見れるよ。

Mindsガイドラインライブラリ
Mindsガイドラインライブラリ

88 C 3点テーピング

開放性気(血)胸の際の応急処置だね。胸腔内圧が陰圧であることで、気管より穴が大きくて抵抗が少ないと吸気時にここから空気が入ってきてしまうんだよね。もちろんその後、”違った場所”からTube thoracotomyが必要だよ。

今は商品化されていて、Youtubeやwebに商品が並べられていたよ。

レスキューが持っているらしい。

日本でも似たようなものが開発されているらしい。

http://www.accord-intl.com/dcms_media/other/SCS1.pdf

89 B 圧迫骨折?Burst?追加の画像検査が必要なのは?

DenisのThree column theoryが有名だよね。前方のみの場合は圧迫骨折として安定型としてよいのだけれど、2columnにまたがる場合は不安定型としてコンサルトが必要だよね。簡単な方法として前方の圧壊が50%を超えるとBurstの危険があり(それだけの外力が加わったということ)、更なる検査(CTが多いね)を推奨しているよ。Visual diagnosisでも同様の問題が出ているよ。

Visual diagnosis 2nd edition Case 63より

Chance骨折は、椎体の横骨折に椎弓にも骨折が及んでおり、シートベルト外傷に多いそうだよ。

新しいAO分類より、Chance骨折はB1タイプということみたいだね。
椎体破裂骨折、胸腰椎損傷についての分類と考察 : とぜんな脊椎外科医のブログ
はじめに 救急病院に勤務しているからでしょうが 椎体骨折に対して考えさせられることが多いです。 椎体骨折、とくに破裂骨折の分類や、治療についてまとめました。

脊椎が専門の整形外科医の先生のブログからとってきたよ。また覗いてみてください。

90 C Felon(ひょう疽)

At a glance diagnosisということでこの問題は出しました。指先の内科疾患(外傷ではないよね)として手の感染症をRosenでは、7つ扱っているよ。1)爪周囲炎(Paronychia)、2)ひょう疽(Felon)、3)ヘルペスひょう疽(Herpetic whitlow)、4)腱鞘炎(Tenosynovitis)、5)深部組織感染、6)感染性関節炎、7)骨髄炎 とあるね。

6)~8)はどこの骨や関節にもあるから、1-4は把握しておきたいね。今回の選択肢Bは爪周囲炎のDrainage方法を、正解の選択肢Cはひょう疽のDrainage方法だね。

Paronychia(爪周囲炎)のDrainage。陥入爪のときは抜爪(全部じゃなくて端っこだけカット)することもあるよ。皮膚科の先生と一緒にね。
今回の問題にあったひょう疽のDrainage方法。側面に割面を入れないとドレナージできないんだよ。神経や血管があるので皮膚科や形成の外来での実施が良いかもね。原理原則は知っていても損はないよね。

Rosenの整形外科領域はとても勉強になりますよ。部位ごとに分かれていて正常解剖、正常X線など豊富で素敵ですよ。

91 D 涙小管損傷

内眼角(Medial canthus)から5-7mmの創をみたら涙管損傷(Lacrimal system injuries)を疑おう(小児はもう少し狭いのだろうか?)。顔面はやはり繊細だから解剖を確認しようね。このあたりの英語がスムースに読めたり、書けたり、言えたりしたらカッコいいな。

Lacrimal drainage anatomy
A Practical Approach to Canalicular Lacerations

上下の眼瞼にある涙小管が損傷していると、フルオロセインで染色したときに傷がから流れていかずに押し戻されちゃうんだ。実際に見てみたいな。ブジーを通して、閉塞をふさいで形成外科にコンサルトとあるけれど、難しいし道具もないんじゃないかな。。。

フルオロセイン染色のやり方と所見についてまとめておいたよ。物品の場所も確認しておこうね(青いライトを搭載した光源の位置とかね)。Robert and Hedges Clinical procedure of emergency medicine 5th editionより

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