あっという間に6月も終わってしまいますね。。。皆さんから教えてもらった漫画、全部読んでたら時間ないな~。息抜きも大事にして、病院では、マックスで頑張れ!
来月は英語でしてみる(ブーイングだったりして)?
26 C 肘部滑液包炎(Non septic olecranon bursitis)
Dispositionで悩むことはないと思ったので、別の文献を調べてみたよ。いつものように”病名””ガイドライン””pdf”としてみたけれど、さすがにガイドラインは見つからなかったな。
Red flagもあるようで、悪性腫瘍が整形外科の先生たちにとっては嫌みたいだね。エコー当てたらわかりそうなものだけど、病歴では、急激に大きくなる、体重減少を伴う、初期治療でうまくいかない、悪性腫瘍の既往(どこまでかは不明、整形外科疾患のみか?)がある。
Minor traumaがMost commonでStudent’s elbowなんて呼ばれているよ(私はなる自信ないな!)。内科的なことで言えば、リウマチ結節や痛風結節に関連したものがあるよ。直接的な原因でアルコールやDMがあるんだって。免疫抑制剤も要因の一部なんだって。どんな病態?
穿刺でWBC、血糖、補体などで診断精度を調べたものはあるんだけれど、どれもいまいちなんだって。関節液の分析によく似ているよね。
治療はというと、ステロイドの局注は案外studyされているようだけどまだまだControversyだね。ちょこっと古いけど、2014年のレビューだよん。
27 D crossed SLRT
Straight leg raising test(SLRT)は皆さんご存じ。膝は伸ばして70度まで上げると腰痛と膝の裏より遠位に痛みがくるってやつ。
Disc herniationで障害された(根性)坐骨神経痛を見つけるのに”Crossed”SLRTが有効(Specific)なんだ。感度は低いけれど、特異度が90%にもなるんだって。足をクロスさせるわけではなく、痛みがないほうでSLRTをするだけ。
こうなったらMcGee先生に聞いてみようとおもって調べてみたよ。
数字めっちゃ小さいな。特異度が88-98まで跳ね上がってLR(+)が3.4になるんだね。でもLR(+)は二けたほしいよね。。。
これって拡大できないのかな?
29 B
LP(Lumber puncuture)前のCTの是非 どんな病歴かというと、頭部外傷歴、意識障害の悪化、けいれん、神経学的巣症状、乳頭浮腫があるとLPの前にCTをと奨励されているよ。
2014年と少し古いんだけど、日本のガイドラインではもほぼ同様だけれど、60歳以上や免疫不全もCTが推奨されているよ。RCTはなく、小児ではもっとStudyが限られるね。検索式は一度覗いてみてね(Pubmedで検索する際に参考になります。医中誌もほぼやっていることは変わりません)。
イギリスのガイドラインは知らなかったな。意識障害がGCS<12!サンキュー
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/pdf/zuimaku_guide_2014_05.pdf
33 D
ショックのVT(Ventricular tachycardia) いわゆる不安定なVTだね。Wide QRSの鑑別には本物のVTとSVT(Supraventricular tachycardia)と変更伝導があるんだけれど(Af tachycardiaに右脚ブロックなんかがあるとぱっと見るとVTに見えるという意味ね)、今回はショックなのでどっちにしても同期下Cardioversionだね!
手順としては鎮静下で(ショックだったらKetamineかな)、同期ボタンをおしてから、100Jでカルディオバージョンかしらね。除細動器は友達になっておこう(ペーシングもできるようにね)!
特発性VTはアブレーションのいい適応のようだから、見破れるようにしたいね。RBBB+LAD またはLBBB+RADのタイプがあるからね。一度は見ておこう。
https://www.j-circ.or.jp/old/guideline/pdf/JCS2020_Ono.pdf
34 B
49歳若くない? さすがにここまで若年の前頭側頭型認知症は経験ないです。。。徘徊や下品なことを言ったりが特徴の認知症(Neurocognitive disorder)だね。いや、俺は違うって!先天性下品症候群なだけさ。昔はDSMで勉強していたんだけれど、今は日本神経学会がガイドラインを公開しているよ。アルツハイマー型認知症、Lewy bodyは年齢が若すぎるよね。Lewy bodyは幻視が有名だったな~(遠い目)。
ここまで若いといわゆるTreatable dimentiaを念頭にいきなり、神経内科や精神科に依頼するのではなく、ワークアップしたいね。正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫ならば脳外科の先生が活躍してくれそうだし、内分泌疾患やビタミン欠乏、感染症(神経梅毒)ならば僕らも役立ちそうだしね。内科的なワークアップと同時にうつのスクリーニングもしたいよね。
36 A
旅行者下痢症(Traveler’s diarrhea)だけれども、正直間違えましたよ。。。対症療法で無駄な抗菌薬は出すな的なメッセージと思っていました。。。日常生活に支障が出てくるくらいの下痢なら(計画を変更しなくてはいけないとあります)、中等症とみなして抗菌薬を考慮してとあります(汗)。もちろん耐性菌やディフィシル菌が悪さすることはありますが、メリットが上回るという判断のようです。
そのなかでもキノロン系は1stチョイスで、シプロフロキサシン750mgを単回投与でよいのだそうです。残念ながらうちの病院は不採用ですので、Levofloxacinになってしまいます。500mg単回投与ですが、改善ない場合は3日間内服のようです。
ロペラミド(止痢薬)も私はほとんど出したことがないです。毒素出しちゃいたいから下痢は止めちゃダメ、絶対!なんて育った世代ですので。みんなはどうしてる?
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5731448/pdf/tax026.pdf
37 C
ネフローゼ症候群の合併症としての血栓・塞栓症。抗凝固因子の流出に加えて、アルブミンも肝臓で合成されるけれど、凝固因子も肝臓で作られるから、過凝固状態になるって覚えたんだけれどね。実際はもっと複雑なんだろうね(遠い目2回目)。
2020年のガイドラインがMindsから出ていて、僕たちでも無料で読めるよ。昔は抗凝固薬は保険適応外で、ネフローゼ症候群は中等度のリスクなんだって。ステロイドパルスといったより血栓症を作る場合は、ヘパリンなどが推奨されていたよ。
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001217/4/nephrotic_syndrome.pdf
40 B ライム病の1度AVブロック(AVB)
かの有名なジャスティンビーバーもかかったというライム病(歌1個も知らんけど)。国立国際の忽那先生がHPや獣医師会獣医学会のスライドがすぐに見つかって読めるよ。
われらが福井県はどうかというと、Borrelia burgodorferiを持っているマダニは標高の高いところにいるらしい(奥越注意)。もちろん登山やハイキングがコロナ禍ではやっているので要注意だね。厚労省のHPによると2018年には福井県にも報告があったんだ。
最初は遊走性紅斑と非特異的症状。この時点で問診で疑われるようなActivityがあったら、治療はしたいね。検査は商業ベースの外注検査になるのか、大学の研究室での検査になるのか、ちょっとわからないけれど、寄生虫学教室はマダニに強いから聞いてみればいいよね。厚労省のHPではドキシサイクリン14日間となっているね。米国感染症学会はドキシサイクリンであれば10日間、アモキシシリンであれば14日間を推奨しているよ。
もちろんこの症例のように病期が進んで、神経や刺激伝導系に異常が出ている場合は、IVを含めて入院加療が望ましいようだね。Totalで14日~21日を治療期間としているよ。
そうそう、日本では4類感染症に分類されるので必ず届け出が必要なんだ(全数把握)。
https://academic.oup.com/cid/article/72/1/e1/6010652 IDSA guideline 2020
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/524-lyme.html 厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000610430.pdf 忽那先生の学会用スライド
41 C CO中毒の1st step
おととしの火事を思い出すな~。火事に巻き込まれた人の血ガスはHbCOを必ずチェックだね。ACEPのClinical policyは少し新しくなったんだよね(中身はそんなだけれど)。
中https://www.acep.org/globalassets/new-pdfs/clinical-policies/cp-copoisoning-doc.pdf毒で解毒薬があるのは少ないけれど、CO中毒への100%O2投与は拮抗して半減期5時間のところを1時間にできるんだって!いつも議論になるHBO(Hyperbaric oxygenation)については、CochraneでMAがなされたりしているけれど、結果はいまいちなんだ。ACEPとしては長期の神経予後をよくするかもしれないという弱い推奨になっているね。
PEERⅨでは、失神、けいれん、意識障害、HbCO>25%、小脳失調、36歳以上、24時間以上のCOへの暴露、胎児のDistress(妊婦さん)はHBOの適応という見解らしい。
HBOは県立病院にしかないんだよね。。。
https://www.acep.org/globalassets/new-pdfs/clinical-policies/cp-copoisoning-doc.pdf
42 B Blowout fxの診察
Enophthalmos:眼球陥凹 ←→ Exophthalmos:眼球突出
なんだか英語の練習みたいな問題だね。Ecchymosis:斑状出血、Photophobia:羞明だね。眼球が陥凹しているひどい吹き抜け骨折は見たことないな。。。両目での複視が出るので嘔気嘔吐も伴っていることが多くて、頭調べてくださいと眼科医に言われたことがあったな。副交感神経節を痛めて、徐脈が出るなんていいこと教わったよ。プレゼンやカルテに書けるといいね。
眼窩下神経の損傷がある場合は頬部や眼球の下にしびれがあったりするらしい。ここまで丁寧な診察したら喜ぶね。
若年者は骨が柔らかく割れた骨の間に下直筋が挟まって複視がでて、緊急で手術になることが多いね。うちは耳鼻科に依頼が行くことが多いかしら。形成外科がやるところもあるね。眼科がやっているところは知らないんだよね。眼科は眼球破裂でないことやのちに網膜剥離の診察を依頼することが多いね。
54 A STEMI 前壁、下壁
自己心拍再開:ROSC(Return of spontaneous circulation)後のECGでSTEMIが見つかったときの次の一手はeCAG/PCIだね。
日本の急性冠症候群のガイドラインでもSTEMIは推奨クラスⅠ、エビデンスレベルBで緊急CAG/PCIを位置づけているよ。NSTEMIに関しては推奨クラスⅡa、エビデンスレベルCなんだ。ICLSでは蘇生後に関してはあまり扱えないけれど、気道管理やバイタル測定にとどまらず、ECGやCT検査で心肺停止に陥った原因についてできる限り精査したいね。
NEJMで取り上げたものをJSEPTICという集中治療の先生たちのグループがJCで取り上げているよ。
http://www.jseptic.com/journal/20190514.pdf JSEPTICのJCでNEJMを取り上げたもの
https://www.j-circ.or.jp/old/guideline/pdf/JCS2018_kimura.pdf 急性冠症候群ガイドライン(2018 年改訂版)
TTMの第2報を紹介してくれていましたね。えらい!RR(Relative risk)は理解しているかな?
今回のPrimary outcomeは、465/925(Hypo群死亡率)、446/925(Normo群死亡率)であるので、RR=(Hypo群死亡率)/(Normo群死亡率)=1.04だよね。分母は全体だよ。今回はOR(Odds ratio)はどうやって算出するか覚えているかな(ギャンブラーはこっちに精通しているよね)?
イベント
(+) (-)
介入(+) a b
介入(-) c d
RR = {a/(a+b)}/{c/(c+d)}
OR = (a/b)/(c/d) = (a*d)/(b*c)
もっと興味ある方は、
https://www.youtube.com/watch?v=DzITNPU_mXg (阪大新谷先生 EZRの本出版されています。バンダーヴィルト大学の数学者)
RRR(Relative risk reduction)というのもあり、厳密には異なるようですが、ワクチン効果(VE:Vaccine efficacy)で同様の計算式で算出します。
2000人ずつにワクチンとプラセボを投与して、各々、5人発症、100人発症とします。
RR=(5/2000)/(100/2000)=5/100
RRR=(1-RR)*100(%)=(1-5/100)*100=95%
こんな形で95%の効果があるんです!と言っていますね。林先生のメールにあったプライマリケアの先生もこのように説明しています。ワクチンではこれに期間の要素や集団免疫の要素などが絡むためワクチン効果をこのように表現するようです。
RCTなどで介入の効果を測定するときには、ARR:Absolute risk reductionといって「差」で求めます。先の例で示すと
ARR=100/2000-5/2000=95/2000
これだけ出されるとピンとこないため、逆数にします。これをNNT(Number needed to treat)といいます。
NNT=1/ARR=2000/95=21.05
これは1人の治療効果を得るために、21人は治療が必要という意味なんだ。薬屋さんはRRRを強調して宣伝してくるけれど、騙されないでね。ARRからNNTを計算してね。
興味ある人はこんな記事も
https://www.medscape.com/viewarticle/950117 NNTがワクチン効果をMisleadするかも
55 C
INH(イソニアジド)のODなんて見たことないね。。。けいれんが止まらないのは
興奮性の神経伝達物質:Glutamate→抑制性の神経伝達物質:GABAの経路がINHによってビタミンB6欠乏になるらしい。確かにINH内服の時は末梢神経の副作用あったな~。
日本中毒学会が中毒の痙攣の時の診療ガイドを出しているよ。ピリドキシン(ビタミンB6)は10mgの注射薬があったけれど、うちは不採用みたいだね。ほかのネオラミンだとかのビタミン剤は100mg含まれているからこっちを使えばよいかな。でも4-6gを静注って院内のビタミン剤なくなっちゃうんじゃ。。。
われらが旧約聖書(赤本)にはINHとIronはアニオンギャップ開大型の代謝性アシドーシスとして記載があるよ。I SLUMPEDって覚えるんだったね!
I:Iron(鉄剤) イソニアジド、S:サリチル酸、L:乳酸、U:尿毒症、M:メタノール、P:パラアルデヒド、E:エタノール、エチレングリコール、D:糖尿病性ケトアシドーシス
INHの代謝性アシドーシスは痙攣なのか(だったら乳酸アシドーシス)、イソニアジドそのものなのかは不明なんだ。。。銀杏との化学構造式の相似性、恐れ入りました。楽しかった~。
http://www.chemotherapy.or.jp/journal/jjc/06704/067040452.pdf 抗結核薬の副作用
http://jsct-web.umin.jp/wp/wp-content/uploads/2016/06/keirentaisaku.pdf 中毒学会痙攣対応
58 D
35歳男性のコールレッド
コールレッドはしたことあるかな?O型Rh(+)が輸血部からおろしてもらえるんだ。妊娠可能女性については、Rh(-)が選択されるよ。FFPは逆にAB型だよん。
実は令和2年度の救急専門医の問題としても出題されているんだよ。日本でもアメリカでも緊急輸血は出題されるんだね。
https://www.e-igakukai.jp/statics/1003/doc/examination_2020.pdf
私はPDFダウンロードしてあるのでe医学会使えない方は連絡ちょうだいね。
61 B
Bell’s palsy:中枢性との鑑別はいつも話題になるけれど、あまり診断は苦慮しないかな?皮疹(Ramsay Hunt)は注意しようね。顔面神経麻痺も程度を気にするので、治療についてはステロイドがメインになるね。オーストラリアでも特に抗ウイルス薬はマストではないようだね。うちの耳鼻科の先生も特発性であれば、投与していないよね。一応ガイドラインを参照してね。
重症度はスマホで検索して書けたらいいかな。。。有名なものは柳原分類というらしいが海外使っているんだろうか。
https://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/bellmahi2019.pdf
65 A
鋭的外傷-腎損傷 AIS 奥さんに刺された旦那さんの症例、何をしでかしたのかが気になるけれど、それはひとまず置いておこう。
外傷臓器損傷分類2008では腎、肝、脾
Ⅰ:被膜下、Ⅱ:表在(被膜に連続性なし、外に出血あり)、Ⅲ:深在(腎実質の1/2以上)
AIS・ISSコーディング
AISは臓器損傷を9つの区分に分けて1-6段階で重症度分類したもの。ISSは患者さんへのダメージをAISコーディングをもとに計算する。6つの区分に分けて、最重症である3つの点数を2乗して総和したものだよ。この頃の専門医試験では計算させる問題が出ているね。
http://www.jast-hp.org/archive/sonsyoubunruilist.pdf 臓器損傷分類
https://www.jtcr-jatec.org/traumabank/dataroom/data/ais_cording_Jan2016plain.pdf AISコーディング 今はAIS2005を使用しているよ。カンファレンス室にはあるはず。実は個人的に買いましたが、全然使いません。。。
外傷登録をすると救急医学会に認められればデータベースを使わせてくれるはずです!?うちは頸部骨折ばかりになりそうだね(AISコーディング3以上が登録対象です。頸部骨折は3点あります。8518.3)。
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