Tai M. Lockspeiser, et al. In Pursuit of Meaningful Use of Learning Goals in Residency: A Qualitative Study of Pediatric Residents. Acad Med. 2016;91:839–846.
Tai先生はコロラド大学の医学教育の部長で小児科の先生だ！2nd authorのST先生はSRL studies②で取り上げたよ。
Background
研究の目的は、(1) レジデンシープログラムで学習目標を用いることに関する小児科レジデントの意見を質的研究手法を用いて明らかにする。(2) 学習環境の異なったどんな面が意味のある学習目標を促進するのか、邪魔するのかを説明できるようにする。
Methods
小児科レジデンシープログラムはACGMEが毎年学習目標を定めるように規定してる5つの部署の内のひとつ（知らんかった）である。小児科プログラムディレクタ―の全体会議で参加を呼びかけ、多様性が最大になるように、12個のプログラムが選定された。
20-40分のインタビューを12人のプログラムディレクターに行った。訓練された質的研究のインタビューアーがおり、各々のプログラムで学習目標をどのように作成し、シェアしているか、また問題点も上げてもらった。
12個のプログラムからPGY-3の小児科レジデントが集められた。メールで招待し、1時間の半構造化されたインタビューに参加してもらった。少なくとも前の2年間学習目標を用いて研修してきたためPGY-3を対象とした。フォーカスグループとしたのは参加者同士でのディスカッションを促すためである。
フォーカスグループのインタビューにはガイドがある。レジデントが目標を生成したり用いることに対する見解を引き出したり、目標到達するための戦略を聞き出したり、どんなプログラムの要因が意味のある目標をたて到達するのに役立っているか、もしくは足を引っ張っているか、変化を加えたほうがいい点はどんなところかを聞いた。自大学のパイロット研究で、SRL理論を反映した質問を作成した。
2012-2013年の間にインタビューは行われた。すべて録音され、原稿とした。個人情報は削除され、倫理委員会により是認された。
データは理論的飽和に達するまで分析され、グラウンデッドセオリーに基づいたConstant comparative methodを用いて繰り返し分析した。テーマやサブテーマをコード化し、お互いのテーマが目標を用いることにどんな影響があるのか比較し分析した。
2人の独立した調査者が原稿をコード化し、お互いのコードを比較し、同意していないところは一致を見るまで議論した。調査者は自施設のコード化は行っていない。すべての調査者がグラウンデッドセオリーの開発にはかかわった。
Results
Themes
- Program support オリエンテーション、守られた時間、学びを目標にマッチ、システム、FD
- Faculty roles 自省のサポート、目標生成や到達への支援
- Goal characteristics and purposes ISMR（Important, specific, measurable, realistic）
- Resident attributes buy-in（自分の取り組みに対する賛同）、自省、イニシアティブ
- Accountability and goal follow-through レジデントが目標達成するための内的外的説明責任
Program director perspectives
同様のテーマが上がってきてはいるが、ディレクターの視点は少し異なっていた。レジデントの経験と目標がマッチしていないこと、目標到達の方法が見つかっていないこと、もっとレジデントとのすり合わせる時間が欲しいとの意見だった。
Relationships between themes
私見
Grounded theoryという新しい手法が出てきた。テーマがどのようにアウトカムに関与しているかを定量的に判断が難しい時に使う手法のよう。ユーモアはまたもや全く出てきていないのだが、Methodは勉強になった。少し日本語から調べてみたいな～。
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