Rachel Ellaway. The AMEE Fringe, the antidote for PowerPoint poisoning. Medical Teacher 2010; 32: 108-112.
Fringeはもともとはイギリスの一人漫談のようなものだったが、現在は複数人でのパフォーマンスなんかもありとのこと(英語の辞書から)。
What is Fringe ?
2004年からの2つの90分のセッションがエディンバラから始まり、医学教育のテーマにアプローチしている実験的な発表やパフォーマンスが実施されてきた。
Origins
2003年にAMEE会議がスイスのベルンで行われていた。ディナーの際にはダンスフロアに揺れながら意見交換がなされており、これをエディンバラに持って帰ろう!って。組織委員長にこんなノリのやらないといったらOKだったって。3つの原則があるよ。
- 医学教育の問題に関連していること。
- スライドやポスターは使わないこと。
- 抄録を通してPeer reviewされる。
1回目は大盛況!ただ守衛からは大勢の人が詰めかけて小言を言われ、隣の部屋からは騒がしいって言われちゃったって。でもこれらが成功のあかしさ。
The fringe experience
はじめはどちらかというとメインではなく変わり者の体で、端っこに追いやられ、規模も小さいものであったが、徐々に規模が大きくなっていき、レースのような様相を呈してきた。200人以上が詰めかけ、熱く、隣の部屋からは相変わらず文句が出る。司会進行も普段だったら、しらふで、時間を測って、管理しなくちゃいけないけれど、Fringeでは、寄席や演芸の司会、コメディ的に場をあっため、体育の先生もしなくちゃなんない。なんでかって、Fringe waveっていうのがあって演目の間にリフレッシュを兼ねて、体を動かさなくっちゃいけないからだよ。
Fringe presentations
6年間で12のセッションがあり(90分が2セッション/年)、46個のプレゼンがされたんだ。
- 13の劇場型のプレゼン
- 8つのコメディプレゼン(漫画やアニメ):ユーモアの要素がちりばめられており、ばかげたもの、ドタバタ劇、異義語(2つの意味で1つは下品)、見た目のギャグなんかが使用されていた。
- 8つはファインアート:バロックからヒップポップ、詩や小説をモチーフにしたものまで
- 5つのゲームをテーマ:テレビ番組風のクイズ番組やラクダレース、ジャグリングを教える、勝者には賞が与えられた。
- 4つの朗読型プレゼン
他には影絵、マジック、パフォーマンスアート、水彩画、オーストラリアワインのテイスティング
作者のお気に入り
- 医学生教育のための病院ピエロ、後半は聴衆は半分はピエロ役、半分は患者役を演じた。
- 私、インターン(アシモフのロボット三原則:この論文には出ていないけど、「人間に危害を加えない」、「人間の命令に従う」、「(第一条件と第二条件が守られているなら)自分を守る」)をモチーフに同僚と怒っている操り指人形と出し物した。
- E-learningの闇を暴露
- Flex and Ply:衣類やボディーペインティングで会話したり、探求したりする(科学会議や体の周囲にある審美性?)
The fringe as subversion
創造的で通常とは異なる医学教育へのアプローチを推奨する。Powerpointの弊害は2000年に言われ始め、2008年では多くのケースが紹介されている。ワークショップや学会といったアクティブな参加の仕方もあるが、知識の伝達にフォーカスしている。Fringeは脱会議でダイナミックで双方向的なパフォーマンス基盤のアプローチでメインの潮流を壊していくぜぃ。
Beginings(rather than conclusions)
AMEE Fringeの意義はこれから試されるでしょう。多くの医学教育者が創造的で、独創的で、なおかつ真面目で楽しいというエビデンスを提供した。Fringeは時々、アナーキーで自省的で深くて、お下品でピクニックみたい。
概説してきたが、まずは見に来てほしいし、よりいいのは参加してほしい。”医学ほど文化が必要な分野はない(1902 Osler)” そしてAMEE fringeほど重要な医学教育のカンファはない!
私見
実際に見てみたいな~。出席してくれた人たちにインタビューしてみてなんで参加しようと思ったかとか面白さとまじめさをどうやって両立させたかなんかを聞いてみたい。
2010年以降の演題がわからなかったのでAMEEの問い合わせ先にメールしたけれどさすがに帰ってこないな~。会員になったからAbstract集見れないかな?
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